わが国における精神疾患の理学療法の課題と展望 |
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山本 大誠 PT PhD, 奈良 勲 PT PhD(神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 医療リハビリテーション学科 理学療法学専攻)
この論文は精神疾患の理学療法に関する課題と展望について議論するものである。理学療法は身体的健康を維持するために不可欠である。また,身体的健康は精神保健に対して寄与している。しかし, わが国では精神疾患患者への理学療法による身体運動は確立されていない。精神疾患の治療は, 主に医師, 看護師, 作業療法士, 精神保健福祉士によって行われている。理学療法は身体症状の改善が主な役割であるとされ, 精神科領域では重要視されてこなかった。しかし, 近年では精神疾患患者に対する適正な医療が見直され始め, 精神医療におけるリハビリテーションの重要性がさらに高まってきた。そして, 精神科領域における身体医療の必要性から, 理学療法の取り組みが期待されている。精神科領域のリハビリテーションにおいて理学療法を導入し, 他職種と連携して取り組んでいくことが望ましい。
キーワード:精神疾患, 理学療法, 身体運動, 身体気づき |