(5)レッグサポートがはずれればよりよい(前後移動でははずれるか、あるいはスウィングアウェーすることが必要)。
などが必要になります。
2)手順 ベッド−車いすの座位移乗について、その手順を説明します。 ・使用用具 車いす:アームレストが脱着ないし跳ね上げが可能なもの。 ブレーキレバーが座面より低いないしは脱着できるもの。 後輪の軸位置によってトランスファーボードがかけにくくなる
場合があり(軸位置が前だと後輪によって移動スペースが 狭くなる)、前方に滑り落ちやすくなりますから注意が必要 です。
ベッド:昇降機能の付いているもの。 車いす座面と同等ないしは低くなるもの。 「注意」:マットレス高さおよび硬さにも留意
します。 トランスファーボード:ここで使用したものは「イージーグライ ド」(ベルテックジャパン)です。類似品として「MTSボー
ド」(パシフィックサプライ)があります。 プラスティック製で軽く、しなりやすいものがよいといえます。 表面が滑りやすく、裏面が適度に摩擦
があるものが使いや すい。駆動輪軸位置が前よりの場合などは幅の狭いボ−ド (Sサイズ)の方が使いやすいことがあります。
(1) 端座位をとります。 端座位までの手順は省略します。
(2)
車いすの位置を整えます(ベッドと平行、ないしは斜め:30度程度)。 斜めにする意味は、アームレストに手が届きやすくなる(近づく)ということがあります。また、レッグサポートがはずれない車いすの場合には、レッグサポートがベッド下に入りやすくなり、車いす自体を近づけることができます。
(3)
車いすのアームレストをはずします。 跳ね上げ方式なら、はずしたあとおく場所を気にしなくてもよいですが、跳ね上げは一般論として強度に問題がある場合が多いといえます、車いすの後ろから介助したいときにじゃまになるという問題もあります。 一方、脱着方式は、はずしたあとおく場所に問題があったり、手が届かなくなったりすることがあります。
(4)
体幹を傾けてボードをお尻の半分へ差し込みます。 基本的には、体幹を横、前に傾ければ、お尻の下に隙間ができ、容易にボードを差し込むことができます。臀部の半分がボード上に乗るようにします。 立ち直り反射を利用してもよいでしょう。 ボードは臀部の半分と車いす座面との橋渡しになります。車いすの後輪がじゃまになる場合がありますが、ボードが後輪によって高くならないような位置に設定します。 「注意」:必要に応じ、体幹を支えるためにベッド柵を利用します。 片マヒの場合には、健側に車いすか、その逆かによって、ボードの差し込みないしは後述するボードの取り外しができない、あるいはしにくくなるという問題が生じます。部分介助が必要になることもあります。
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(5)
ベッドの高さを調節します。 「注意」:車いす座面と同じ、ないしは若干高くします。高い位置から低い位置へ移動することができればより容易に移動できます。
(6)
足を整えます。 車いす側に近づけ、片足を若干引いておきます。車いすに移動するときに足がじゃまにならないようにこの準備をしておきます。 この足を整える作業は、座位移乗すべてに共通に必要になります。
(7)
車いすのアームレストを持ち、お尻を少しずつ滑らせながら、移動させます。 体重をボード側に移すために、身体を傾ける必要がありますが、「アームレストをつかむ」という動作で体重の移動を誘導しています。この動作だけでは体重をボード上に十分に移動させられない場合は、体重を移動させるための指示をします。 体重がボード上に移動したら、アームレストを引き寄せる、あるいはベッド上に手をついて押すなどの動作によって移動します。
(7)
車いすのアームレストを持ち、お尻を少しずつ滑らせながら、移動させます。 体重をボード側に移すために、身体を傾ける必要がありますが、「アームレストをつかむ」という動作で体重の移動を誘導しています。この動作だけでは体重をボード上に十分に移動させられない場合は、体重を移動させるための指示をします。 体重がボード上に移動したら、アームレストを引き寄せる、あるいはベッド上に手をついて押すなどの動作によって移動します。
(8)
車いす座面の途中で動きが止まります。 これはボードが座面の途中までしか届いていないことと、体重を乗せて移動してきた臀部がボードからはずれると座面の摩擦によってそれ以上移動しないためです。 このままではまだきちんと着座できていないので、動きが止まったら、体重を逆にかけます。今まで車いす側に傾いていた身体を逆にベッド側に傾けるようにします。 こうすると、臀部の反対側がボードに乗り、さらに座面深くまで移動します。
(9) 体幹を傾け、トランスファーボードをはずす。 ボードは上に引き上げるようにすると簡単にはずれます。
車いすからベッドは基本的にベッドから車いすと同じです。 車いす上のほうが身体を傾けにくくなりますので、ボードの差し込みが難しくなります。 このような場合には、身体を傾ける側のアームレストもはずすと傾けやすくなりますが、転落の可能性も生じます。 片マヒの場合、患側にベッドがくると、アームレストの脱着と、ボードの差し込みができない、あるいはしにくくなります。部分的な介助が必要になることもあります。 ベッドからポータブルトイレへの移乗も基本的には同様の条件になります。 ボードを利用しますから、トイレの穴にお尻が落ちないように、体幹を傾ける動作が必要になります。進行方向に対して、後ろ側に重心をかけると穴に落ちにくくなります。 ポータブルトイレ上で下衣の着脱動作が必要になりますから、これができることが条件になります。 座位で下衣を着脱する方法は、体幹を左右・前後に傾けながら徐々に着脱するる方法になります。
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