神戸学院大学総合リハビリテーション学部　松尾雅文研究室

研究室紹介

　松尾雅文研究室では、デュシェンヌ型筋ジストロフィー（DMD）の分子病態解析と治療法の確立についての研究を主に実施しています。
　私達が提唱したエクソンスキッピング誘導は、DMDで欠損したジストロフィンを自身の遺伝子から発現させるもので、DMDの最も有望な治療として世界から大きく注目されています。その他、筋肉の崩壊を防ぐ治療法の開発にも取り組んでいます。

学生さんへ

　医学・医療を取りまく環境は大きく変化しています。教科書では学べない未来の医療を学生時代に少しでも多く経験することは極めて重要です。
　松尾雅文研究室では、学生さんが講義では学べないことを学習する機会を積極的に提供します。
　　　　英語が話せる様になりたい
　　　　遺伝子のことが判るようになりたい
　　　　運動と筋肉の関係をさらに知りたい
等々、気軽に研究室に来て話をしに来てください。
大歓迎です。

研究業績

2016年

Original articles
  1. Taniguchi-Ikeda M, Takeshima Y, Lee T, Nishiyama M, Awano H, Yagi M, Unzaki A, Nozu K, Nishio H, Matsuo M, Kurahashi H, Toda T, Morioka I, and Iijima K, 2015, Next generation sequencing discloses a nonsense mutation in the dystrophin gene from long preserved dried umbilical cord and low-level somatic mosaicism in the proband mother. J Hum Genet

2015年

Original articles
  1. Nishida.A., Minegishi.M., Takeuchi.A., Niba.ET., Awano.H., Lee.T., Iijima.K., Takeshima.Y., Matsuo.M., 2015 Tissue and case-specific retention of intron 40 in mature dystrophin mRNA. J Hum Genet  60:327-33
  2. Shoji.E., Sakurai.H., Nishino.T., Nakahata.T., Heike.T., Awaya.T., Fujii,L.N., Manabe.Y., Matsuo.M., Sehara-Fujisawa.A., 2015 The early pathogenesis of Duchenne muscular dystrophy exhibited with patient-derived human induced pluripotent stem cells.  Sci Rep  5:12831
  3. Nishida.A., Minegishi.M., Takeuchi.A., Awano.H., Niba.ET., Matsuo.M., 2015 Neuronal SH-SY5Y cells use the C-dystrophin promoter coupled with exon 78 skipping and display multiple patterns of alternative splicing including two intronic insertion events.  Hum Genet  134:993-1001
  4. Yamamoto.N.,Kozaki.A.,Hartomo.TB.,Yanai.T.,Hasegawa.D., Kawasaki.K.,  Kosaka.Y.,Matsuo.M.,Hirase.S., Mori.T.,Hayakawa.A., Iijima.K. Nishio.H.,
    Nishimura.N., 2015 Differential expression of minimal residual disease markers in peripheral blood and bone marrow samples from high-risk neuroblastoma patients. Oncology Letters  10：3228-3232
Reviews
  1. Matsuo,M., Takeshgima,Y., Nishio,H, 2015 Contributions of Japanese patients to development of antisense therapy for DMD Brain Dev 38:4-6
  2. Matsuo, M., 2015　Investigational treatments and therapeutic targets in Becker muscular dystrophy, Exp Opin Orph Drugs. 3: 821-829
講演
  1. Masafumi Matsuo
    Keynote presentation「Exon-skipping Therapy Advancing Oligonucleotide Drug Development」
    IBC's 8th Annual AsiaTIDES（2016.2.24－26,　Kyoto）
総説
  1. 竹島泰弘　粟野宏之　松尾雅文　骨格筋症候群（第２版）-その他の神経筋疾患を含めて-　上　１.筋ジストロフィー及び膜イオンチャンネル異常症　X連鎖性筋ジストロフィー　Becker型筋ジストロフィー　別冊日本臨牀　新領域別症候群シリーズ　№３２　株式会社日本臨牀社（2015年５月20日発行）　ｐ21～ｐ25
  2. 李知子　粟野宏之　竹島泰弘　松尾雅文　骨格筋症候群（第２版）-その他の神経筋疾患を含めて-　上　　１.筋ジストロフィー及び膜イオンチャンネル異常症　X連鎖性筋ジストロフィー　Duchenne型筋ジストロフィー　別冊日本臨牀　新領域別症候群シリーズ　№３２
    株式会社日本臨牀社（2015年５月20日発行）ｐ15～ｐ20
新聞記事
  1. 「スプライシング異常で起こる疾患は他にもある。エクソンスキッピングは多くの疾患の治療薬になりうる」（日経バイオテクＯＮＬＩＮＥ　2015年4月30日）
国外発表
一般発表
  1. 平成28年3月14日―18日
    Myology 2016
    France Lyon Conference Centre
    A new antisense oligonucleotide composed of RNA/ENA chimera (A085) against dystrophin exon 45 significantly increased six-minute walk distance in Duchenne muscular dystrophy
    Yasuhiro Takeshima1，Tomoko Lee1，Hideki shimomura1 ,Yasuhiko Tanaka1，Hiroyuki Awno2，Atsushi Nishida3，lsao Ojima3，Satoshi Mìnami3，Akio Nakagawa3，Kazumoto lijima2，Masafumì Matsuo3）
教育講演
  1. 松尾雅文
    デュシェンヌ型筋ジストロフィーの最新治療法
    第49回日本作業療法学会平成（平成27年6月20日，神戸）
エキスパートセミナー
  1. 松尾雅文
    Duchenne型筋ジストロフィー：遺伝子診断からエクソンスキッピング誘導治療法の開発まで
    日本人類遺伝学会 第60回大会（平成27年10月17日，東京）
公的研究費受領課題
  1. 2016年（平成28年度）
    日本医療研究開発機構（AMED） 難治性疾患実用化研究事業「Duchenne型筋ジストロフィーに対するカルパイン1 阻害治療法の開発」
    国立精神・神経医療研究センター（NCNP）委託研究「ジストロフィン遺伝子産物の多様性の解明とその治療への応用」
  2. 2015年度（平成27年度）
    科研：挑戦的萌芽研究　「2本鎖形成ピレン修飾核酸の蛍光発光によるジストロフィンmRNAの可視化」
    日本医療研究開発機構（AMED）障害者対策総合研究開発事業「Duchenne型筋ジストロフィーに対するカルパイン1 阻害治療法の開発」
    国立精神・神経医療研究センター（NCNP）委託研究「高性能スプライシング解析系の確立と新しいDMD治療法の確立」

研究設備

RECLO

　RECLOとは、平成24年度の文部科学省私立大学教育活性化設備整備事業に、神戸学院大学の「多職種連携協働による最先端研究の推進と次世代医療人の養成」プロジェクトが採択されました。そして、最先端研究機器が整備されることになりロコモーションバイオロジー教育研究センターとして運営することになりました。英語名がReseach Center for Locomotion Biologyで、略してRECLOと呼びます。RECLOでは分子から個体レベルまで広い領域の移動・運動を標的とした研究を創薬に結び付けて行うとともに、研究を通じた教育を行います。場所は有瀬キャンパス4号館別館Ｂ１にあります。

機器の一部

  1. ライフテクノロジーズ社製マイクロチップ次世代シーケンサー（PGM-410M）
    ヒトのゲノムが短時間で解析されるなど、高機能のDNA塩基配列決定装置です。
  2. オリンパス㈱製　倒立型細胞培養観察顕微鏡　IX83システム
    細胞の動きを長時間経過を追って経過観察できます。

先端医療センター

機器の一部
  1. アジレントバイオアナライザー
    キャプラリー電気泳動でPCR産物などを半定量的解析します。
  2. イメージアナライザー
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